plorogue

 前略、ってこういう時には、こう書き出せばいいのかな?

 なんと、青嵐学院に入学してしまいました。
 しかも、神官科――アルセルブです。
 青嵐学院という事もあるし、学費なんかは簡単なアルバイトでなんとかなりそうです。
 ご飯も美味しいし、部屋もすっごい広いしで、まるで天国!

 ただ、勉強がとっても大変……。
 冒険者としての勉強なんて今まで一度もした事が無かったから、下から数えた方が早いくらいです。
 これから実技もあるからもっと大変になるけど、
 折角憧れの真貴様と同じアルセルブへ入れたのだし、精一杯頑張ります。
 帰ってきたら、ドアケラ鳥も追い返せるくらい強くなってるから、楽しみに待っててください。

 そう言えば、あれからドアケラ鳥にドアを蹴破られたりしてませんか?
 今年は暖かかったから心配は無いと思うけど、少し心配です。
 お父さんは壊れたドアなんてお姉ちゃんに任せて腰を痛めないようにしてください。
 お母さんもドアケラ鳥と喧嘩するような無茶はしないでください。

 今も勉強を頑張ってるおねえちゃんへ。
 勉強が終わったら、お父さんとお母さんを助ける発明をいっぱいしてね。
 お父さんは何も言ってなかったけど、草刈の機械、すっごい喜んでたよ。

 色々ごたごたして手紙が遅くなっちゃったけど、私は元気にしてます。
 お父さんもお母さんもお姉ちゃんも、皆元気で待っていてください。



「なんか、他人行儀かな……まぁ、いっか」
 そう呟いて、少女は自分の名前を手紙の右下へと書き込んだ。



 ――羽乃芽より。






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